上級ウェブ解析士 合格体験記
先日、上級ウェブ解析士に合格しました。
そもそもの始まりは、ふと思い立って「ウェブ解析士を取っちゃおう」と思ったことでした。
そしてウェブ解析士に合格したあと、「今やらなかったら、たぶんもうやらないだろう」と、その勢いのまま上級ウェブ解析士にも申し込みました。
上級ウェブ解析士が具体的に何をするものなのか、実はそこまで詳しく調べていたわけではありません。
会社の人から、試験を受けて終わりではなく、課題を提出していく形式だということを聞いたことがある程度。
ただ、資格を取ること自体が目的ではなかったので、ウェブ解析士に合格しただけで終わっても、自分としてはあまり意味がないように感じていました。
上級までやれば、もう少し実践的なことが身につくのではないか。仕事にも役立つのではないか。
そんな期待もあって、そのまま申し込みました。
最初に不安になったのは「難しいか」より合格要件
申し込んで最初に戸惑ったのが、課題そのものよりも合格要件でした。
「いつまでに、何を、どういう状態まで終わらせておけばいいの?」
というのが、最初は少し分かりづらかったです。
私は会社の人と一緒に受講したわけではなく、一人で申し込んでいたので、「これで合ってるよね?」と気軽に確認できる相手もいません。
そのため、提出期限や合格要件をかなり慎重に確認しました。
課題は大きく3つあり、それ以外にも小課題がいくつかあります。
私の場合は4月12日ごろから始まって、6月26日ごろまで。約2か月半の期間がありました。
もちろん、その2か月半ずっと課題をやり続けるわけではありません。
ただ、締切直前はかなりきつかったです。
第一課題:「これでいいの?」が分からない
第一課題は、数値を分析して答えを出すというより、事業そのものを分析する内容でした。
計算問題なら答えが合っているか間違っているか分かりますが、事業分析は、言ってしまえばどうとでも解釈できる要素があります。
「私はこう考えた。でも、本当にこの解釈でいいの?」
という不安がずっとありました。
正解が一つに決まっているわけではないので、どこまでやれば「完成」としていいのかも判断しづらい。
結局、提出期限ギリギリまで粘って提出しました。
結果としては、意外と大丈夫でした。
ただ、そこで別の疑問も残りました。
課題としてOKだったことと、実務でお客様に出してOKなレベルであることは、同じなのだろうか?
これは、合格した今でも少し不安が残っているところです。
第二課題:第一課題よりきつかった
そして第二課題。
個人的には、第一課題より第二課題のほうがきつかったです。
第二課題では、自分の考えたシナリオを、数値や属性など、より具体的なところまで落とし込んでいく必要がありました。
まずステージごとに、
「このステージにいる人は、どういう状態なのか」
を考えます。
次に、
「その状態にいると判断するためには、どんな数値を見ればいいのか」
を考える。
そして各ステージについて考えたものをつなげて、全体の流れを作っていきます。
こう書くと、順番に考えていけば完成するように見えます。
でも、実際にはそんなにきれいには進みませんでした。
ステージについて考えて、数値を考えて、全体をつなげてみる。
すると、「あれ、これだとつながらない」となって、また前に戻る。
ステージが変わる要件を考え直したり、見る数値を変えたり、また全体を見たり。
部分と全体を何度も行ったり来たりしました。
そして、第二課題も結局ギリギリになりました。
第二課題でゴールデンウィークが潰れた
しかも第二課題に取り組んでいた時期は、ちょうどゴールデンウィーク。
私は課題が終わらず、出かける余裕がありませんでした。
一方、夫はせっかくのゴールデンウィークなので出かけたい。
お互いの予定が合わず、課題で余裕がなかったこともあって、ちょっと険悪な空気になってしまうことも。
家族がいる方は、受講前に「この時期は課題で忙しくなるかもしれない」ということを伝えて、協力してもらえるか確認しておいたほうがいいかもしれません。
大きな連休は、まとまった時間を取って課題を進めるチャンスでもあります。
ただ、「連休があるから、そこで頑張ればいいや」と後回しにすると、私のように連休が課題で潰れる可能性があります。
できることなら、早めにやりましょう。
第三課題を見据えて第二課題をやっていた
これは少数派なのかもしれませんが、私は第二課題をやっている時点で、第三課題に何を書くかもある程度考えていました。
第三課題では、第一課題と第二課題で考えたことを総まとめして、具体的な改修案を作る必要があります。
それなら、第一課題は第一課題、第二課題は第二課題と切り離して考えるより、
「最終的にどういう改修案につなげるのか」
という全体像を見ながら進めたほうがいいのではないか、と考えました。
第二課題の時点から第三課題を考えておいたこと自体は、よかったと思っています。
ただし、第三課題が楽だったわけではありません。
方向性は考えていても、いざ具体的な改修案として作ろうとすると、やっぱり大変でした。
「分析した結果、施策を考える」の逆になっていないか?
第三課題で特に難しかったのは、改修案の根拠を示すことでした。
「こうしたほうがいいと思う」
だけではなく、
「なぜ、そうしたほうがいいのか」
を説明しなければなりません。
そして、ここでもまた、
「これでいいのだろうか?」
となりました。
本来の分析であれば、
「分析する」
↓
「こういうことが分かった」
↓
「だから、こうしたほうがいい」
という順番になると思います。
ところが私は第二課題の段階から第三課題の着地点を考えていたので、
「こういう改修をしよう」
↓
「なぜなら、こういう根拠があるから」
という、ある意味では逆向きの作り方をした部分があります。
それが本当に正しいやり方だったのかは、今でも分かりません。
課題としては合格しました。
でも、実務で分析するときの思考プロセスとしてもそれでよかったのか、と聞かれると、まだ自信はありません。
地味に大変だったサイト構成表。でも役立ちそう
大きな3つの課題以外にも、小課題がいくつかあります。
その中で地味に大変だったのが、サイト構成表です。
正直、作っている途中は「地味に面倒だな……」と思いました。
ただ、終わってみると、これはかなり実務に役立ちそうだと感じています。
課題で作ったものをそのまま仕事で使う必要はないと思います。
目的に応じて形を変えたり、必要なところだけ取り入れたり、いろいろな応用の仕方がありそうです。
今後、自分の仕事の中でどう使っていくか試してみたいと思っています。
講義は録画で受講。説明はとても丁寧だった
私は時間の都合もあり、リアルタイムのオンライン講義ではなく、録画したものを送っていただく形で受講しました。
説明はとても丁寧で、分かりやすかったです。
また、課題の評価も思っていたより早く返ってきました。
先生によっても違うと思いますが、私の場合は1週間程度で評価が来ることもありました。
早く結果が分かるのは、とてもありがたかったです。
ただ、あまりに早かったので、
「こんなに早く評価できるものなんだ」
と、逆にちょっと心配になったこともあります。
これは「ちゃんと見てもらえていない」という意味ではありません。
むしろ私の中にずっと、
「課題として評価されるレベルと、実務家として評価されるレベルは同じなのだろうか?」
という疑問があったからだと思います。
第一課題から第三課題まで、合格しても「これで実務でも大丈夫」とまでは、自分では思えませんでした。
これから受けるなら、最初に第三課題まで見たほうがいい
これから上級ウェブ解析士を受ける人にアドバイスするなら、早めに全体像をつかんでおくことをおすすめします。
できれば、最初の段階で第三課題の内容まで頭に入れておく。
第一課題をやっているときに第一課題しか見ないのではなく、
「最後はここに着地するんだな」
というところまで把握したうえで進めると、全体をつなげて考えやすいと思います。
そして、課題は早めに。
私の場合、約2か月半あったので、最初はそれなりに時間があるように感じました。
でも、締切が近づくと結構きつくなりました。
大課題だけではなく小課題もあります。
仕事や家庭と両立するなら、なおさら余裕を持って進めたほうがいいと思います。
そして家族がいる人は、家族にもスケジュールを共有しておくことをおすすめします。
上級に挑む前に、GA4とGTMはある程度勉強しておいたほうがいい
もう一つ、これから上級ウェブ解析士に挑戦する人に伝えておきたいのが、GA4(Google アナリティクス4)とGTM(Google タグマネージャー)についてです。
個人的には、GA4やGTMはある程度勉強してから上級に挑んだほうがいいと思います。
私は仕事でGA4を触る機会があるので、ある程度知識がある状態で取り組めたのはよかったです。一方で、GTMについては勉強不足でした。
小課題の中には、GTMを使ってイベント計測をするものもあります。私は十分に理解できていなかったので、調べながら設定して提出しました。
やってみて思ったのは、単にGA4の画面の見方やGTMの操作方法を知っているだけではなく、「何を知りたいのか。そのためには何を計測すればいいのか。そして、それを計測するためにはどう設定すればいいのか」まで、一連の流れとして理解しておいたほうがいいということです。
たとえば、「このユーザー行動を把握したい」と考えたときに、どんなイベントを計測すればそれを判断できるのか。そのイベントを取得するために、GTMではどのような設定が必要なのか。
そうした計測設計の考え方まである程度分かっていれば、上級の課題にも取り組みやすくなると思います。
GA4やGTMを完璧に使いこなしてから受講する必要はないと思います。ただ、上級の勉強を始めてからすべてを一から調べるのは大変です。
特に、「なぜこの計測をするのか → 何を計測するのか → どう設定するのか」くらいは、自分で考えられる状態にしてから挑むと、かなり楽になると思います。
私はGTMを調べながら小課題を提出したので、ここは事前にもう少し勉強しておけばよかったと思ったポイントの一つです。
勢いで受けるのもアリ。ただし、やる気と余裕があるときに
ここまで「早めに全課題を確認したほうがいい」「GA4やGTMも勉強しておいたほうがいい」と書いてきましたが、全部完璧に準備してからでないと受けられない、というわけではないと思います。
何しろ私は、ウェブ解析士に合格した勢いで「今やらなかったら、たぶんやらないだろう」と、そのまま上級ウェブ解析士に申し込みました。
なので、勢いで受けてしまうのもアリです。
ただし、やる気があるときに受けたほうがいいと思います。
上級ウェブ解析士は、試験当日に集中して勉強して乗り切るタイプの資格ではありません。
大きな課題が3つあり、そのほかにも小課題があります。自分で考えたり、調べたり、作ったものを見直したりしながら、一定期間取り組み続ける必要があります。
実際、私は「これでいいのだろうか?」と悩みながら締切ギリギリまで課題をやったり、ゴールデンウィークを使って第二課題を仕上げたりしました。
やる気がない時期だったら、私は最後までやり切れなかったと思います。
だから、「いつか取ったほうがよさそうだから」と、とりあえず申し込むのはあまりおすすめしません。
逆に、「今ならやれる」「今のうちにやってしまいたい」と思っているなら、多少準備不足でも、その勢いを利用して申し込んでしまうのはアリだと思います。
その代わり、時間的な余裕は確保しておく。
申し込んだら早めに第三課題まで確認して全体像をつかむ。GA4やGTMに不安があれば勉強する時間も見込んでおく。家族がいるなら、忙しくなりそうな時期も共有しておく。
準備が100%整うまで待つ必要はない。
でも、やる気と、やり切るための余裕があるときに受ける。
私自身が勢いで申し込んだからこそ、これが一番伝えておきたいことかもしれません。
上級ウェブ解析士を取れば、実務ができるようになるのか
上級ウェブ解析士を取ったら、すぐ実務ができるようになるのか。
私は、そうではないと思っています。
今回、事業について考え、顧客の状態を考え、数値や属性まで具体化し、そこから改修案を考えるところまで経験しました。
この経験は、きっと実務でも役立つと思っています。
一方で、
「では、これを自分の実際の仕事にどう応用するの?」
と聞かれると、まだ手探りです。
資格を取ったから、明日からウェブ解析の実務が完璧にできる、というものではありません。
上級ウェブ解析士は「資格」より「経験」に価値があると思う
では、どんな人に上級ウェブ解析士を取る価値があるのか。
今の私は、学んだことを実務で活用する機会がある人だと思っています。
資格を取ったというステータスだけが目的なら、個人的には、上級まで取る意味はそれほど大きくないように思います。
私が価値を感じているのは、「上級ウェブ解析士」という資格そのものよりも、上級ウェブ解析士を取る過程で経験したことです。
事業を分析する。
顧客がどういう状態にいるのかを考える。
それを何の数値で判断するのかを考える。
全体のシナリオを作る。
そして、分析したことを具体的な施策につなげ、なぜその施策を行うのか根拠を考える。
少なくとも、これらを自分の頭で一通り考えた経験は残りました。
あとは、それを実務でどう活かすか。
たぶん、そこが一番重要なのだと思います。
結論:取ってよかった
いろいろ書きましたが、結論としては、
ウェブ解析士、そして上級ウェブ解析士まで取ってよかった
と思っています。
上級ウェブ解析士に合格したからといって、実務に対する不安がなくなったわけではありません。
むしろ合格した今でも、「これでいいのだろうか?」と思っている部分はあります。
これから実務の中で試して、失敗したり、やり方を変えたりしながら、自分なりの使い方を見つけていく必要があると思っています。
それでも、約2か月半かけて課題に取り組み、自分で考えて、最後までやり切って合格したことは、少し自分の自信になりました。
資格を取って終わりではなく、ここからどう使うか。
上級ウェブ解析士を取った価値が本当に決まるのは、むしろこれからなのかもしれません。